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横浜合同法律事務所ニュース2

同じ被害を繰り返さないために

弁護士 田淵 大輔

 本年1月3日午前6時半頃、横須賀において、アメリカ軍の空母キティホークの乗務員による強盗殺人事件が発生しました。事件の概要は、飲酒の上、帰宅途中だったアメリカ兵が、金銭を奪う目的で、被害者である女性に道を尋ねるふりをしてバッグを奪い取ろうとしたところ、この女性に抵抗されたため、顔面を繰り返し殴打し、壁に叩き付けたり、何度も踏みつける等して、この女性を殺害し、現金を奪っていったというものです。

 犯行現場の近くには防犯カメラも設置されており、犯行そのものは撮影されていませんでしたが、助けを求める女性の悲痛な叫び声、力尽きる間際の女性の弱々しいうめき声などが残っており、犯行の執拗さ、残忍さは凄まじく、被害女性の苦痛や無念を思うと、やり切れない思いがこみ上げてきます。

 この事件の加害者であるアメリカ兵は逮捕され、日本の裁判所で刑事裁判を受け、6月2日、無期懲役の判決が言い渡されました。

 ただ、これをもって一件落着・・・としてしまって良いのでしょうか?今回、被害に遭った女性は、真面目に暮らしてきた人で、この日も、正月3ヶ日にもかかわらず、朝早くから仕事場に向かおうとしている最中、この悲惨な事件の被害者となってしまったのでした。アメリカ兵による事件と聞くと、少し異質な、遠い世界の事件のようにも思えますが、そこで被害に遭っているのは普通の一般市民なのです。それは、すなわち、私たち自身も被害者となる危険性が、常に存在しているということです。

 10月20日、被害者の夫や二人のお子さんたちが、この悲惨な事件をこのまま終わらせてはならないという強い決意の下、国の責任を追及すべく提訴に踏み切りました。日本の平和のために、アメリカ軍が必要だというのであれば、国は、最低限、アメリカ兵たちが日本国内において犯罪を行わないようにさせる義務があるはずです。そして、その義務が果たされない限り、被害者は増え続け、いずれは、私たち自身や私たちの周りの人に被害が及ぶこともあり得るのです。

 これ以上、悲しむ遺族を増やしたくないという想いで立ち上がった、この事件の被害者遺族のことを、是非、見守っていってあげて欲しいと思います。

 

よもやまばなし 続 忘却との戦い

弁護士 川又 昭

 昭和18(1943)年12月5日、マーシャル諸島沖航空戦に一式陸上攻撃機で編成する触接隊の二番機主電信員として搭乗、午後3時18分マロエラップ基地発進、ピカール島65度66浬において敵機動部隊発見、触接続行中午後8時27分以降消息を絶ち、行方不明、敵戦闘機と空戦被弾により同日同地において自爆戦死したものと認定。私のすぐ上の兄 啓利(ひろとし)の戦死時の状況である。

 このことは厚生労働省社会援護局の担当部署に照会して判明したことがらであり、前回触れた「戦死したもう一人の兄」のことである。21歳4か月の生涯であった。

 昭和19(1944)年4月、私は陸軍特別幹部候補生として軍籍に入った。兄戦死の公報はその二か月後、6月9日にもたらされた。私は一兵士としてその戦死を受けとめた。私の17歳のときである。

 昭和20(1945)年2月、私は台湾軍第八飛行師団の対空無線隊員として、東部海岸の花蓮港市郊外に駐屯し、同年8月15日、そこで敗戦を迎えた。

 平和を守る戦いは、忘却との戦いであるといわれる。それは、現在から過去を絶えず問い直し、過去を現在に結びつける省察的作業にかかわることでもあるだろう。

 私は、私共兄弟と戦争との上のような構図でのかかわり方も、そうした作業の一環たり得るものではないかと思い敢えて述べさせてもらった。

 戦争はつづまるところ人と人との殺しあいであり、そこに必ず遺族が生れる。そして私も昨年、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の受給権者、つまり戦死した二人の兄の遺族であることを知らされた。

 今、私はその遺族として、しかも従軍して戦争が如何なるものであるかを体験している遺族として言う。戦争は如何なる理由があるにせよ、絶対にしてはならない。戦争に命を奪われた人の無念さは言わずもがな、その肉親も終生忘れ得ない心の痛み、悲しみを背負って行かなければならないのだ。こうした人たちを二度と作ってはならない。

 平和への堅い決意や、崇高な理想を掲げた日本国憲法前文を「侘び証文」と侮蔑にも等しい言葉を吐いている安倍首相は、日本を戦争する国にするため、今後5年以内に改憲することを目論んでいる。 私は一市民としてばかりでなく遺族としてもその目論見みに断固反対 を貫いていく覚悟である。

 

新人弁護士ご挨拶

弁護士 浅川 壽一(ひろかず)

 昨年10月に入所しました、浅川壽一と申します。夫婦共働きで、一歳になった息子を保育園に預け、仕事をしております。一昨年の7月から9月まで、司法修習生として、横浜合同法律事務所で勉強しておりました。

 私は、司法試験を目指す前、証券会社に勤務していました。妻が税理士法人で企業相手の仕事をしていることもあり、当初は、自分の経験と人脈を活かせる企業法務の事務所に就職するつもりでした。しかし、横浜合同で、市民のため、一所懸命に汗を流す弁護士と事務局、関係各団体など、多くの皆様に出会いました。日が経つにつれ、自分もこういう仕事をしたい、この人たちと一緒に仕事をしたい・・・という気持ちが強まり、頼み込んで入所した次第です。

 入所してから3ヶ月が経ちましたが、未だに事務所内外で右往左往している状態です。一日でも早く、一人前の弁護士になれるよう、努力を重ねる所存です。よろしくお願いします。

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